プロフィール
スバル『フォレスター』の5世代目モデルとなる新型。ステーションワゴンの色濃いクロスオーバーモデルから、アピール度・実力ともに文句のつけようのないSUVへと転身した。
また、スバルの新しいスタイルを主張するクルマとしては2台目となるモデルでもある。新型『フォレスター』は、まさに行動派のファミリーカーとして、これからのニーズを先取りするかのようなクルマである。
主要諸元
2.0リッターBOXER TURBOエンジン
230馬力、四輪駆動
全長4m56
車重1560kg
4変速AT
Subaru Forester Turbo 2008, HDTV
(WMV9HD 720p Direct Download "Right click, Save as…")
エクステリアデザイン
これまでのクロスオーバーっぽいデザインに比べると、SUVらしさを前面にだした仕上がりで、スバルにとっては180度の方向転換となる。これまで苦手分野とされてきた、若々しくそしてダイナミックなデザインに挑戦したモデルとしては2台目に当たるわけだ。評価の大きく分かれる『インプレッサ』と比較しても、『フォレスター』のデザインはいい出来だといえるだろう。フロントフェースなど、三菱の『アウトランダー』に酷似しているなどという批判も聞かれるが、僕らの評価は高い。一方、クルマのサイズに比例して存在感はあるものの、フロントグリル、ヘッドライト、ボンネットのラインなどは全く『インプレッサ』風の仕上がりである。このデザイン、個人的にはスポーティな『インプレッサ』よりもこの新型SUVにしっくりくるような…これも単なる慣れの問題だろうか。
インテリア
エクステリアに関しては、『インプレッサ』の面影がところどころに見られる程度だったのが、インテリアともなると完全なクローン状態。違いは微々たるものである。全体的な質感としては、硬い感触のプラスチックといい、木材イミテーションといい、もう少し努力をして欲しかったところが残念だ。それを除けば、実に快適な車内で、なかでも僕らは解放的なオープンルーフの虜になってしまった。将来、『フォレスター』を購入するオーナーなら、僕らのこの感動を実感してもらえるはずだ。
走行性能
230psというハイ・パワーを内に秘めながらも、弾丸のように走り抜ける風の塊というわけにはいかない。そこはやはりSUVというところか。SI‐Drive(Subaru Intelligent Drive)の「スポーツシャープ」モードで走ってみたところ、そのレスポンスはかなり歯切れよく実に気持ちがいい。とはいえ、シートに釘着けになるようなパワーを発揮するわけでもないのだ。もともと、このタイプのクルマに求められている要素ではないということだろう。ということで、走行性能そのものは常識的な優等生といった感じだ。それよりも驚き、感動したのはこのクルマの提供するフラット感。文句のつけようのない四輪駆動に、高度なスタビリティを補助するVDCが本領を発揮し、右に出るものはいないかもしれないというほどの安定した走りを満喫させてくれる。高速道路でだろうと、山道であろう、そして雪道や凍った路面であろうと、常に安心して走ることができる。常識の範囲内ではあるが、『フォレスター』なら、目的地まで安心してドライブを楽しむことができるはずだ。
林道を走ってみて…
正直言って、走る前からその性能については疑っていなかったが、やはり実際にテストしてみたくてうずうずしていた僕ら。テストコースに選んだのは、ところどころ15cmもの雪が残る、決して走り易いとはいえない林道だった。
これまでの『フォレスター』よりも高い、最低地上高22cm以上を確保することによって、見通しもよく狭い道でも高い走破力を発揮する。アプローチアングル、ディパーチャーアングルともに格段とよく、どのようなシチュエーションでもまるで「滑る」ような走りを楽しむことができた。これでディファレンシャル・ロック
の設定があれば、もう少し冒険した走りを楽しめるだろうにと思うと残念だ。それでもドライバーさえその気になれば、そして満載されたアクティブ・セーフティ機能を全て解除しさえすれば、クルマ自体はそれだけの実力を持ち合わせていることは間違いない。
Conclusion:
結論
新型『フォレスター』は、街中であろうと、高速道路であろうと、また凸凹の多い林道であろうと常に安定したドライブを提供してくれる。完全にスバルの勝利、である。ヨーロッパ仕様車にはディーゼルエンジンモデルの設定も予定されているということで、販売競争の非常に激しいSUV・クロスオーバー市場において、その存在感をアピールするのに苦労はしなさそうだ。とはいえ、四輪駆動のスペシャリスト スバルの名にかけて、たとえば三菱『アウトランダー』にあるようなディファレンシャル・ロックの設定が欲しかったところ。それさえあれば、時々には泥道を走るスリルを味わいたい、なんていうドライバーをも満足させる完璧なクルマだっただろうに、と悔やまれてならない。
Posted on 14/04/08 By G-A.G