21世紀に入って「生まれ変わった」ように、高性能で魅力的なモデルを、しかも全セグメントにおいて発表し続けてきた日産。その勢いはまるで見えない何者かに追われているかのようですらある。一般大衆受けするファミリーモデルから、走る歓びを追求するマニアのためのスポーツカーまで、求めやすい価格設定を保ちつつ世に送り続ける日産の躍進は留まるところをしらない。
これまで日産が生み出してきたモデルのなかで、『GT-R』を究極の一台と定義するならば、『スカイライン370GT』(北米仕様・インフィニティG37)などはまさに一般人にも求めやすい、比較的「現実的な一台」だといえるかもしれない。
Nissan Skyline 370GT (Infinity G37) , HDTV
(WMV9HD 720p Direct Download "Right click, Save as…")
2006年9月、我々Nihoncarチームでは、新生スカイラインの第一世代となる『スカイライン350GT』のハンドルを握るチャンスを得た。流れるラインの美しさがとかく目を惹き付けるエクステリア。ところが、外見とは対照的に、インパネをはじめとするどちらかというと少し古臭インテリアに正直出鼻をくじかれる思いがしたものだ。そんなネガティブな思いは、アクセルを踏み込むほどにますます強くなり、スポーツクーペに似合わない鈍いレスポンスに正直幻滅したものだった。そのテストドライブから数ヶ月程経過した頃、日産は北米市場において新型4ドアとクーぺを発表。そのころから、新型で汚名返上となるか、日本での発売を心待ちにしていたものだ。
全体的に技術改良がなされ、日産独自の3.7リットルV6エンジンを搭載。乗る前から期待が膨らんでくる…はたしてその実力はいかに?
ポートレート
3.7リットルV6エンジン、330馬力
全長4m65
車重1620kg
パドルシフト付きシーケンシャルトランスミッション(試乗モデルの場合)
デザイン(総評)
プラットフォームそのものは『350GT』クーペとまったく同一のものであるものの、よりアグレッシブで力強くなったフロントグリルや、一目で『370GT』と識別できるL字型ヘッドランプなど、スタイル面でいくつかの改良が加えられている。『350GT』の美しさを継承しつつも、よりスポーティで堂々としたラインのエクステリア。そして、質感のたかい素材とエレガントなデザインのインテリアが見事に調和し、見違えるような仕上がりに圧倒される。
車内の快適性能に関しても然り。日産のノウハウを充分に満喫させてくれる空間に仕上がっている。快適でありながら、かつドライバーの動きをしっかりと支えるスポーツシートの設計など文句のつけようのない出来栄えである。
走行性能
カルロス・ゴーンの鶴の一声で生まれたスカイラインV35型をベースに、さらにパワーアップしたV36(現行モデル)のクーペなだけに、興奮と期待は抑えきれるものではなかった。そして実際に走ってみたそのファーストインプレッションとは…「恍惚」! 『370GT(G37)』は紛れもなくスポーツクーペと称されるに相応しい。『350GT』で気になっていたレスポンスの鈍さや、車体を引きずる感覚、ソフトすぎるステアリング、そんな一切合切を忘れさせてくれた。ドイツのライバルメーカーと比較してもなんら恥じることのない、スポーツカーの誕生だ。新しく搭載されたV6エンジンが実力を存分に発揮し、アクセルを踏み込むと同時に軽やかに足に響く感覚が心地よい。
頑丈なボディにより固くなったサスペンションで、車体のコントロールが確実に改善されている。ステアリング操作もかなり正確で精密。走行路面からのリアクションも瞬時に返ってくる。
コーナリングでもまさに納得の性能を発揮、BMW3シリーズよりも本能的で素直な走行性能を見せてくれ、最高級の車と言い切れるだろう。
Conclusion:
結論
まさしく超高性能というコンセプトに沿った『スカイライン370GT(インフィニティG37)』は、日産の最高級モデルだといえそうだ。その実力は、高級スポーツクーペがしめぎあうヨーロッパ・ブランドにも引けを取らない。それでいて他メーカーよりも買い求めやすい価格設定(日本国内、および世界各国の大部分の地域において)となれば、新車購入の際に候補に入れるべき一台だろう。とはいえ、まだまだ一昔前の日産のイメージが強く、購入を迷うユーザーも少なくないことも事実なようである。爆発的なパワーを誇る「GTR」の発表で、ブランドイメージ改革が始まったばかりの日産。ドイツ・ブランドと肩を並べる日もそう遠くはなさそうだ。
Posted on 24/02/08 By G-A.G