NihonCarでは、これまでに『インプレッサWRX STI RA-R』(300台限定生産)や『ランサーエボリューションIX ワゴン』(2000台限定生産)といった夢のモデルのハンドルを握る光栄なチャンスに恵まれてきた。
常に並び称されてきた『WRX』と『エボ』だが、それぞれ独特の個性をもち、ドライビングにおいても自己主張のはっきりとした走りを見せ付けている。それだけに難しい、両モデルの比較評価。どちらが勝っているのか、はっきりと答えられる人はいないだろう。今回、2台の「スポーティカー」(この2モデルを、「スポーティカー」と定義すべきかどうかは別として)、新世代モデルでの比較分析に敢えてチャレンジした我々だが、結局はっきりとした白黒をつけることはできなかった。
スポーティ・ファミリーカー対戦 『WRX STI』 VS. 『エボX』
『インプレッサ』や『ランエボ』を、我々はあえてファミリーユースのスポーティカーと分類する。気を悪くするファンも多くいることだろう。しかし、現実問題として、両モデルとも「スポーツカー」や「ハイパフォーマンスカー」といったカテゴリーよりも、「スポーティ・ファミリーカー」クラスが最も適当なのである。
先代モデルと比較して、技術的にも優れ、さらに「速く」なっていることは確かだ。しかし、これまでこの2台を「伝説」の存在とさせていたものはなんだったか? それはあの変速のたびに体中を走りぬけたアクセルの凶暴なまでのレスポンス、ブレーキペダルの反応の鋭さ、音を聴くだけでアドレナリンが急上昇しそうなあのエンジン音。そんなエキサイティングなドライビングプレジャーではなかっただろうか。『インプレッサ』にしろ、『ランエボ』にしろ、そんな野獣のようなパフォーマンス性が薄れ、心もち上品になってしまったような感が払拭できないのだ。
そんななか、「あくまでも客観的で中立的な比較をしてみたい」、と考えるようになったのは自然な成り行きかもしれない。こうして実現した今回の対戦ドライブ。「やるからには徹底してやりたい」、ドライバーとして西原正樹に白羽の矢を立てたのは、そうした狙いがあったのだ。「All Japan Gymkhana」で5回の優勝実績を持ち、過去には『インプレッサWRX STI』の、そして現在は『エボIX』のハンドルを握る彼なら、プロの立場から、冷静な分析をしてくれるはずである。早速彼のインプレッションを紹介していこう。