マツダがアグレッシブでスポーティなクルマを提供するのは今回が初めてではなが、私がSUVをテストしたいと心から思ったのは今回が初めてだ。すべてが始まったのは2006年8月の夏休み。私はオアフ島で家族(妻とパソコンと一眼レフ)と1週間のんびりバカンスを過ごしていた。そしてそこで、すなわちアメリカで、日本未発売のマツダ車を発見したのである。それが最新のクロスオーバーSUV、CX-7だった。
CX-7はそのときまで北米市場のみで販売されていたが、少し変わったクロスオーバーSUVを運転したいと思っていた人たちの間で、すぐに注目をあつめるようになった。そこで、好調な売り上げとジャーナリズムでの好意的な反響に後押しされて、マツダはこの新型車をアメリカ市場投入後6ヶ月たらずにして日本でも販売することを決定した。
Mazda CX-7 Test Drive, HDTV
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CX-7を待つこと数ヶ月後、ついに1週間のテストドライブのためにマツダがコンタクトを取ってきた。こういうわけでこの魅力的なSUVについて私は感想をいうことができるのである。
CX-7は今現在市場で手に入るクロスオーバーSUVとはまったく異なる非常にスポーティなフォルムをしていて、それがマツダの主力商品であるRX8を髣髴とさせる。確かに直接の関係はないかもしれないが、近くで見るとわかるこの種のクルマにはとうてい期待できないようなアグレッシブなデザインに、2台の共通点があらわれている。
CX-7のスポーティなデザインはサイドやリヤでも健在だ。とくに角度のゆるやかなAピラーと低い天井はスポーティなデザインを強調している。特徴的なフロントデザインにはおどろかされたが、サイドとリヤはもうすこし大人しく、もっと見慣れたデザインだ。しかしバランスの取れたデザインだということは強調する必要があるだろう。マツダはつねにCX-7が走る喜びのための車だということを思い出させてくれる。
あちこち修正を施されているものの基本的に従来どおりのインテリアに乗車してすぐ安心感を覚えるだろう。CX-7は個性を目指したクルマであるが、メーカーのねらいは人を驚かせることではない。マツダはCX-7の居住性を高めるためにもあちこち改良を重ねているのだ。インテリアでまず目に付くのはロードスターにもすでに設定されているステアリングである。インパネにもRX8を思わせる部分があるが、エンジン停止時に針が下を指すタコメーターではなく、同じ性格を持った速度計である(レーシングカーでは普通のことだが)。
さてちゃんと座ったら、今度は肝心のCX-7の性能を見る番だ。SUVに取り付けられたロードスターのステアリングにとまどいつつも、ひとたびアクセルを踏めばCX-7はきちんとあわせてくるし、典型的なSUVに期待するものとはまったく違い、十分な加速がある。
2.3ℓターボコンプレッサ・エンジン搭載、最高出力238ps、350Nm。総重量はFFモデル1640kg、4WDモデル1740kgとSUVにしてはかなり軽量だ。だから驚いたことに、スポーツとの完全なバランスを実現したSUVあるいはワゴンの運転ができたのだ。たしかに238psに対して6~7トンの重量があったのでは、本物のスポーツカーに太刀打ちするのに理想的ではないだろう。しかし、CX-7がわれわれに提供してくれる軽快な感覚やアクセルを踏みこむ気さえあれば得られる強力な加速を私は非常に気に入っている。
しかし完璧ということはこの世界にありえないわけで、残念なことにFFモデルはこのクルマのパワーを少し使いこなしきれていない感がある。ちょっと自由に振舞っただけで前輪のタイヤがしょっちゅう耳障りな音を出すのも気になる。もちろんFFオプションは運転する範囲が限られているということはわかっているが、SUVクロスオーバーの哲学には少し反している。どうせ買うならSUVにはどこでも走れる4WDをオプション設定することをお勧めしたい。
さいごにもう一度いうと、マツダはライバルとは一線を画したクルマを提供してくれた。このクルマなら家族も大満足だろう。CX-7は走行性能、多くの人をひきつけるだろう魅力的なデザインともに申し分のないクルマである。
Posted on 17/03/07 By G-A.G