2005年の年末にNihonCarをはじめたとき、われわれはすでにテストすべき車のリストを不完全な形であれ用意していた。そしてそれを元にしながら、だがリストにこだわりすぎずに面白いと思うクルマをテストしてきた。リストに載せた数知れないモデルの中にはセクシーでスポーティな街乗りの車、今回紹介するスズキスイフトスポーツも含まれていた。
もちろんスイフトは新型車ではない。静岡県に本拠地を置く日本のメーカー スズキが日本をはじめとして北米やヨーロッパで軽自動車を販売してから20年以上になるし、スイフトがエレガントなデザインと高いパフォーマンス、魅力的な価格設定で人気を博したのも2004年のことだ。だから新型車というほど新しいクルマではない。
今回紹介するスイフトスポーツがスポーツモデルの発表でVWPoloやMiniCooperS、三菱コルトラリアートのライバルとなるのは、2005年のことだ。
スイフトスポーツのベース車は2ボックスのハッチバック。丸くてエレガントなライン、小さな顔をかわいく見せる大きなヘッドライトそしてコンパクトなフロントのデザインが印象的だ。他方スポーツモデルはベース車にスパイスを効かせたモデルとなっている。国によってはスイフトとスイフトスポーツの2モデル両方で2ドアか4ドアかが選択が可能。だが、スポーティな性格の車には2ドアモデルを選ぶのが賢明に思えるが、イギリスでは販売されるこのモデルが奇妙にも日本では販売されていない。
バンパーがよりダイナミックに、サイドスカートは横から見ても美しく、リアスポイラーは小さくなり、16インチアルミホイール(イギリスでは17インチ)採用となった。これらのおかげでスイフトスポーツはまるでラリーカーのような外観になっている。そしてまさにこのスポーティでコンパクトな見た目のおかげでスイフトは、ちょっと厳しすぎるコンパクトカーにおける競争で一頭地を抜いているのである。
中に乗り込めば、スポーティなボディにぴったりなブラックとレッドで統一したインテリアが出迎えてくれる。もちろん助手席にもブラックとレッドのRECOROシートを採用。また、220km/hまで計測可能な特別のスピードメーターを搭載している(実際にはスイフトでこのスピードを出すのは難しいだろうが)。しかも、スポーティな見た目を完成させるために、ステアリングは本皮製。ペダルはアルミ製となっている。
インテリアでは全体として素材が上質であるのに対して、たとえばインパネやCD/MDプレーヤーなどのデザイン面で工夫がないのが残念だ。また、スポーツシートのすわり心地があまりよくないというか、カーブ時に体を正しい位置に保つのが難しいのも玉にきず。もちろんこららの小さな難点は非常に主観的なものだし、価格を考えたら贅沢を言ってはいけない。
1.3L DOHC VVTエンジン(92ps、6800rpm、148Nm)を搭載し、ベース車よりは「ハイパフォーマンスな」モデルとなっているが、スイフトのエンジンはスポーツモデルとしてはやはりやや弱い。特に長いトランスミッションによってこの感覚はいっそう実感される。
走行性能に関して言えば、スイフトは小回りの利く機敏な車である。スズキはこの方面で大いに研究を重ね、ステアリングに加わる衝撃にも完璧に応える剛性の高いシャシーを提供している。また、クルマのポテンシャルを常に最大限に引き出してくれるモンロー製ショックアブソーバーを採用していることにも注目したい。それに、全長3.8m、総重量1090kgというコンパクトなサイズも小回りのよさ、運転しやすさに貢献している。
スズキはスポーティでエレガントなデザインで、しかもシャシーがこのクルマの哲学に一致した魅力的なクルマを提供してくれた。だが、1.6L M16A VVTエンジンのパフォーマンスがスポーツモデルに当然期待していいものを下回っているのは残念だ。同じ分野のライバル車を見てみると、三菱がコルトラリアート・バージョンRを出しており、確かにそれほどエレガントではないがパフォーマンスではスイフトスポーツの比ではない。だが、スイフトが興奮を与えてくれるスポーティなコンパクトカーであることにかわりはない。
このテストは
西原正樹さんの協力の下、NATS (Nippon Automobile College)のサーキットで行いました。
Posted on 29/12/06 By G-A.G