今回はホンダFCXについてだ。ハイビジョン720pでこれを紹介するのは、なんとNihon Car が世界で初めてになる。たしかに一年前にナショナルジオグラフィック誌はこのクルマをアメリカでテストしているし、イギリスのクルマ情報番組フィフス・ギア(Fifth Gear)も先週末取り上げていた。しかし標準画質だったので、ハイビジョン720pではなかった点を強調したい(ちなみにフィフス・ギアは世界初のテストドライブだと自慢していたが、ナショナルジオグラフィックがすでにやっている)。だが、すべてがハイテクなクルマについて語るなら、やはりビデオもハイテクであるべきだ。ハイビジョン720pこそがこのクルマにはふさわしい。
去る3月、ホンダのプレス用自動車のガレージに行った時、なんとそこにFCXが置いてあったので驚いた。これは、排出ガスゼロという最先端技術を駆使している点がユニークな、とても珍しいクルマだ。そのクルマが目の前に止めてあるのだから、喫驚してしまった。そこで、このクルマをテストさせてもらえないものかどうか打診してみたところ、「もちろん!」とすぐに快諾を得ることができたのだ。悪天候のせいで延び延びになっていたが、先週ついにSFマンガから出てきたようなクルマ、ホンダFCXをテストすることができた。
そもそもなぜ、われわれNihon Carが一見かわりばえしないクルマにこれほど夢中になるのか?それはFCXが世界初の実用化された燃料電池車だからだ(たとえば国内だけでなく、ニューヨーク市役所も何台か所有しているし、ロサンジェルス市役所にもいくつかある)。
Honda Fuell Cell FCX
(WMV9HD 720p Torrent "bouton droit, enregistrer-sous")
Music by Patch-Work
FCXは時代を先取りしているユニークなクルマだが、近い将来にはもしかしたら手の届くクルマになっているかもしれない。世界的なマーケットで販売されているほとんどのクルマはガソリンや軽油を燃料としているが、FCXの場合は水素を燃料として用いている。水素によって発電した電気でモーターを回し、クルマを走らせる仕組みだ。だから、排出ガスは0%。出るのは少量の水だけだ。マフラーの出口からはガスではなくて、水が出てくる。しかもこの水は飲むことができるのだ。面白いのは燃料に使われる水素が、水(H2O)の酸素(O)から水素分子( H2)を分離させることにより、水から作られているという点だろう。
もちろん、プレス向けの燃料電池車はほとんど存在しないので、FCXをほかの燃料電池車と比較することはできないが、率直に言うと比較は目下それほど重要ではない。というのは、現在はまだ燃料電池の黎明期にすぎず、自動車だけでなくノート型パソコンや他の製品への応用についてもまだまだこれからという段階だからだ。
ひとつ言えるのは、FCXがクルマであることに変わりはないということだ。アクセルを踏めば加速するし、ブレーキを踏めばとまる(ビデオの中でこの点に関して少し英語の間違いがありました。ごめんなさい)。制限速度の問題でテスト中80km/h以上出せなかったものの、最高速度は140km/hだ。運転のしかたや燃料の使い方にもよるが(たとえばエアコンの使用など)、一度の燃料補給でだいたい200kmくらいの走行が可能だ。テスト中に驚いたのは、とくに加速のよさで、エコカーにしてはかなり良いと思う。また、静かなエンジン音も魅力的だ。V12エンジンのうるさい音など問題外である。ただあえて言えば、FCXはたしかに静かなクルマだが、加速するにつれてエンジン音が大きくなってしまうという難点がある。この音はちょっと口では説明できないので、ぜひビデオを見ていただきたい(とはいえ、いちばん我慢できないのはFCXのエンジン音がプレステの「ワイプアウト」のマシンになんだか似ている点だ)。
さらに、FCXは普通のクルマと同じようには乗れない。確かにエンジンキーはあるものの、まずはパソコンのようにクルマを「立ち上げる」必要がある。パソコンとの違いも以下の二点にはみられるが。
1) パソコンより立ち上がりが速い
2) 最初にCtrl+Alt+Delを押さなくてよい
結論としては、マキにとっても私にとっても、FCXを運転したことは思い出に残る出来事となった。以前に運転していたクルマを忘れてしまうような、未来を感じさせるクルマだった。もちろん、ちょっとかわった見た目や、トランクがない点などを非難する向きもあろうが、実際問題としてFCXの開発は信じられないほどの偉業であるし、これによりホンダが提案しているものはやはり並外れてすばらしい。ホンダのチームは世界中にこうした技術をつかいこなせる実力を示したといえる(最初のFCXはすでに何年もまえに開発されている)。そして、今は普段使いにもっと適したモデルを開発中である。
ちなみに、ホンダはすでにこのモデルを東京モーターショーで新FCXとして発表している。写真はこちら。
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Posted on 29/05/06 By G-A.G