僕は子供の頃からの「ダカールラリー」の大ファンで、毎年この季節になると当時の記憶が鮮明に蘇ってくる…父親に連れられた南フランスのセート港で、当時パリを出発し、地中海を通ってアフリカ大陸に渡るフェリーを待つクルマ、トラック、バイクの列を飽きることなく眺め続けたものだった。あの時の感動と興奮は、時を経ても色あせない大事な思い出なのである。僕にとってのダカールラリーとは、開催地は変わってもやはり「パリ・ダカ」なのだ。
そしてなんと今年は、三菱自動車がダカールラリーに4台もの『レーシングランサー』で出場すると発表。正真正銘のダカールファンである僕にとって、これは見逃せないニュース、こうして記事を書いている今からワクワクしているのも分かってもらえるかと思う。ダカールラリー制覇を目指す三菱の勝負車には、4台ともにV6ディーゼルエンジンを搭載、最大出力280ps、最大トルク650Nmを発揮する。
詳細は以下のプレスリリース(抜粋)を。
三菱自動車及び同社のモータースポーツ統括会社MMSPは、レプソル、バレオ、BFグッドリッチからのサポートを受け、チーム・レプソル三菱ラリーアートとして、2009年1月3日(土)~18日(日)にアルゼンチン~チリで開催されるダカールラリーに、ディーゼルターボエンジンを搭載した新型競技車『レーシング ランサー』(FIAグループT1規定のスーパープロダクション仕様)で出場する。ドライバーは、ステファン・ペテランセル(フランス)、増岡浩(日本)、リュック・アルファン(フランス)、ホアン・ナニ・ロマ(スペイン)という、2005年から続く磐石の4名体制に変更なし。チーム・レプソル三菱ラリーアートは、新天地・南米大陸で記念すべき30回目を迎えるダカールラリーで、大会史上初のディーゼルエンジン搭載車による総合優勝、そして8大会連続となる通算13勝目を目指す。
尚、『レーシング ランサー』は、10月2日(木) [一般公開は4日(土)]から 19日(日)まで、フランス・パリ市のパリエキスポで開催される「Le Mondial De L' Automobile 2008(通称:パリモーターショー)」で、同車の外観のモチーフとなった、今秋より欧州各国で順次発売する『ランサー スポーツバック』とともに展示する。
チーム体制
チーム・レプソル三菱ラリーアートでは、1993年に『パジェロ』を総合優勝に導いた、往年の名コ・ドライバーでもあるドミニク・セリエス(フランス)が監督として指揮を執る。そして、ティエリー・ヴィヤルド(フランス)がテクニカル・ディレクターとして技術面を取り纏め、三菱自動車開発本部モータースポーツ部のエンジニアがこれをサポートする。また、16日間、約9,000kmに及ぶダカールラリーでは物流が勝敗を左右するとも言われるが、デビッド・セリエス(フランス)がロジスティクス・マネージャーとしてこれを運営。チームスタッフは総勢65名で、15台の車両に分乗する。カミオン部門の競技車としてスペシャルステージ(競技区間)を走行し、『レーシング ランサー』に何らかのトラブルが発生した場合、即時にこれのアシスタントに回るカミオンが2台、タイヤやパーツ、工具などを満載してリエゾンルートを走るカミオンが5台、エンジニアやメカニックなどチームスタッフが乗車するSUVが8台という体制。このSUVのうち2台が、今秋よりロシアをはじめ、アセアン、中東、中南米、オセアニア地域で順次発売するクロスカントリーSUV『パジェロ スポーツ』となっている。
ドライバー及びコ・ドライバーは、ステファン・ペテランセル/ジャン・ポール・コトレ(ともにフランス)組、増岡浩(日本)/パスカル・メモン(フランス)組、リュック・アルファン/ジル・ピカール(ともにフランス)組、ホアン・ナニ・ロマ/ルーカス・センラ・クルス(ともにスペイン)組という、実力と経験を兼ね備えた磐石のラインアップ。ペテランセルは、二輪部門で通算6勝を挙げると、1999年に四輪部門へ転向し、2002年より三菱自動車チームに加入。2004~2005年、2007年に『パジェロ エボリューション』で通算3勝を挙げており、名実ともにダカールラリー最強のドライバーといえよう。増岡は、1990年、1994年に市販車改造クラスの『パジェロ』で優勝すると、2000年にトップチームに昇格。2002~2003年には『パジェロ』『パジェロ エボリューション』で2連覇を飾るなど、日本を代表するラリードライバーである。アルファンは、1997年FIS(国際スキー連盟)ワールドカップのアルペンスキー年間王者を獲得した後、1998年からダカールラリーに参戦。2004年に三菱自動車チームに加入し、2006年には『パジェロ エボリューション』で初優勝を遂げている。ロマは、1994年にエンデューロ(二輪の耐久オフロードレース)の欧州選手権王者を獲得し、1996年からダカールラリーに出場。その後、2004年に二輪部門で優勝を飾ると、2005年に三菱自動車チームに抜擢されて四輪部門に転向。2006年には『パジェロ エボリューション』で総合3位に入賞するなど、トップドライバーとしての実力を示している。
(中略)
■車両概要
『レーシング ランサー』は、2002年大会から施行されているFIA(世界自動車連盟)のグループT1規定に則り、2010年から施行される新しいレギュレーションにも一部対応した、スーパープロダクション仕様のクロスカントリーラリーカーで、『パジェロ エボリューション』で培ったノウハウを随所に盛り込んでいる。ディーゼルターボエンジンは2006年4月に開発に着手し、2007年6月には『パジェロ エボリューション』に搭載して先行試験を開始。2007年8月に車体の開発を開始し、2008年6月に1号車が完成した。この1号車はフランスのオフロードコースでシェイクダウンを行うと、スペインとモロッコでそれぞれ1週間ずつのテストを実施。ここまでのテストで得たデータを元にモディファイを施し、8月下旬~9月上旬、10月中旬~下旬にそれぞれ約2週間のテストをモロッコで行い、10月30日(木)~11月2日(日)にポルトガルで開催されるFIAクロスカントリーバハ・インターナショナルカップ第6戦バハ・ポルトガルにデビューさせる予定となっている。
『レーシング ランサー』は、軽量化をテーマとして新たに設計したスチール製の一体構造マルチチューブラーフレームを採用。2010年からの新規定に対応してホイールベースを延長したことにより生まれたスペースを利用し、従来よりも燃料タンクの搭載位置を低下させて低重心化を図っている。また、スペアタイヤ(3本)の積載位置を従来よりも前方に配置したことで慣性モーメントを抑制したことにより、ハンドリング性能の向上に寄与している。これを覆うカーボン製のボディパネルは、『ランサー スポーツバック』をモチーフとして三菱自動車デザイン部がデザインし、実験総括部で空力性能を確認しながら最終形状を決定した。これに搭載するのは、3L V型6気筒ディーゼルターボエンジンで、全域で高出力を発揮する2ステージターボシステムを採用。これは両側それぞれに大型と小型のタービン2個を備え、回転数と負荷に応じて大小のタービンを協調させるシステムで、現状では最高出力280PS(206kW)以上、最大トルク66.3kg・m(650N・m)以上を実現しており、さらなる高性能化を追求して開発を進めている。インタークーラー用のラジエーターは車体後方に配置し、これに冷却風を導入するエアスクープがルーフ幅いっぱいの特徴的な形状となっている。トランスミッションはリカルド社製5速マニュアル(シーケンシャル)で、ディーゼルターボエンジンが発生する強力なトルクにも耐えうる強度を有している。また、ディファレンシャルは従来の2段減速機構からシンプルな1段減速機構としたほか、ハウジングをアルミ製からスチール製として剛性を向上させ、『パジェロ エボリューション』から差動制限装置付センターデフ式フルタイム4WDを継承している。サスペンションは前後とも独立懸架ダブルウィッシュボーン式コイルスプリングを踏襲しつつジオメトリーを大幅に変更して採用したほか、BOS社製ダンパーも調整範囲を拡大させるなど、ハンドリング性能を向上させている。尚、ブレーキはbrembo社製16インチベンチレーテッドディスク(6ポッドキャリパー)を、ホイールはOZ社製アルミホイール(16×7JJ)、タイヤはBFグッドリッチ社製の低エネルギーロスタイプのラリータイヤ(245/80-16)を採用している。
Posted on 10/09/08 By G-A.G